楼閣山水図屏風
【開催日時】
2017年1月17日(火) ~ 2017年2月12日(日)
【開催場所】
東京国立博物館
【内容】
明治時代より前の日本人にとって、豊かな文化を誇る第一の先進国といえば中国でした。江戸時代の詩人や画家たちは、実際には見たことのない憧れの地を、漢詩文や輸入版本の画をもとに想像をふくらませ、イメージしていたのです。
この屏風にしめされた風景イメージも、驚くべき想像力のたまものにほかなりません。右隻は中国唐時代の詩人孟浩然(もうこうねん)・李白(りはく)ゆかりの洞庭湖(どうていこ)を眺望する「岳陽楼(がくようろう)」と湖水が長江(ちょうこう)に注ぐさま、左隻は北宋の詩人欧陽修(おうようしゅう)が琅琊山(ろうやさん)に建てた「酔翁亭(すいおうてい)」のたたずまい。画家は、宋の范仲淹(はんちゅうえん)『岳陽楼記』や欧陽脩『酔翁亭記』の文章を典拠にしつつ、清初期の邵振先(しょうしんせん)が中国の名勝を描いた小画帖「張環翁祝寿画冊(ちょうかんおうしゅくじゅがさつ)」に含まれる2図をイメージソースにした、と指摘されています。
それにしても、小さな画帖の図様をここまで拡大し、金地に水墨、濃い色彩という別種のメディアに転換した画家の大胆な発想と筆の躍動!うねる波には画家の腕の動きがみえ、墨の濃淡ごしに下地の金がキラキラと輝くのも心に響きます。あちこちにいる人物の生き生きとした表情といったらどうでしょう。絵が生きていますね。
宋元の絵画を範とする長い時代を過ぎた江戸時代中期、ニューモードの明清の絵画を出発点にして日本南画を大成させた京都の画家、池大雅。大雅様式が完成した40代前半の傑作であり、ベストオブ大雅作品なのです。
【料金】
一般620(520)円、大学生410(310)円
(注)( )内は20名以上の団体料金です。
(注)特別展の場合は別料金となります。各特別展の案内ページをご参照ください。
(注)障がい者とその介護者各1名は無料です。入館の際に障がい者手帳等をご提示ください。
(注)高校生以下および満18歳未満,満70歳以上の方は,総合文化展について無料です。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳,健康保険証,運転免許証など)をご提示ください。
子どもといっしょ割引…子ども(高校生以下および満18歳未満)と一緒に来館した入館者(子ども1名につき同伴者2名まで)は、団体料金で総合文化展を観覧できます。
無料観覧日…国際博物館の日(5月18日)、敬老の日(9月第3月曜日。)は、総合文化展のみ無料です。
【お問い合わせ】
東京国立博物館
03-5777-8600
【Webサイト】
http://www.tnm.jp/
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